野菜を中心に考えた食材の組み合わせ。効率よく栄養を摂取
健康な体を作り上げるのに欠かすことができないのが食事。しかし、組み合わせによって食材がもつ栄養素が無駄になったり、何倍にもなって効果を発揮したりするんです。おいしい味になるための食材の組み合わせも大切ですが、家族や自分自身の健康管理に直結する栄養面を考慮した食材の組み合わせもとっても重要です。
体の調子を整える栄養素を豊富に含む野菜を中心に、効率よく栄養を摂取できる組み合わせをご紹介していきます。
ご紹介させていただく組み合わせはほんの一例です。同様の栄養素を含む食材であれば他の組み合わせでも問題ありません。おいしく楽しく健康的な食事を皆さんでどんどん考案していってください!
肉、卵、牛乳と野菜の組み合わせ
必須アミノ酸をバランス良く含み、良質なたんぱく質を豊富に含んだ食材です。同じ肉類でも牛、豚、鶏では含まれる栄養素や脂質の量などが変わってきます。それぞれの食材の特徴を把握し、組み合わせの食材を考えていきましょう。
牛肉
必須アミノ酸をバランス良く含み、鉄分が多い牛肉。カルシウムやビタミンCと一緒に摂取することで骨を丈夫にしたり、貧血予防や免疫力アップの作用が期待できます。牛肉は肉類の中でも脂質が高く、モモやヒレなどの部位を選ぶことで脂肪の摂取量を減らせます。
- 牛肉(たんぱく質)+小松菜(カルシウム)=骨を丈夫に
- 牛肉(たんぱく質)+キャベツ、ピーマン(ビタミンC)=免疫力アップ
- 牛肉(鉄分)+ほうれん草(鉄分、ビタミンC)+卵(ビタミン12)=貧血予防
豚肉
たんぱく質をはじめ、炭水化物のエネルギー代謝を助けるビタミンB1を豊富に含んでいます。硫化アリルと一緒に摂取し疲労回復、ビタミンB1とβ-カロテンを一緒に摂取することで免疫力アップの作用が期待できます。
- 豚肉(ビタミンB1)+玉ねぎ(硫化アリル)=疲労回復
- 豚肉(たんぱく質、ビタミンB1)+にんじん(β-カロテン)+ゴーヤ(ビタミンC)=免疫力アップ
鶏肉
ビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンCと一緒に摂取することで風邪予防や肌荒れ解消の作用が期待できます。低カロリーで高たんぱくな鶏のささ身は、ダイエットに適した食材といわれています。
- 鶏肉(たんぱく質)+白菜(ビタミンC、食物繊維)=風邪予防
- 鶏肉(たんぱく質)+にんじん(β-カロテン)+パプリカ(ビタミンC)=肌荒れ解消
魚介と野菜の組み合わせ
良質なたんぱく質やDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸を豊富に含みます。DHAもEPAも、酸化しやすいため新鮮なものを食べるようにしましょう。
マグロ
魚介の中でもDHAを豊富に含むマグロ。赤身はたんぱく質を豊富に含み、過酸化物質を分解する酵素の成分であるセレンも多く含んでいます。セレンは同じ抗酸化作用をもつビタミンEと一緒に摂取すると抗酸化作用の効果が増すといわれています。
- まぐろ(DHA)+オクラ(食物繊維)=動脈硬化予防
- まぐろ(たんぱく質)+山芋(カリウム)=高血圧予防
- まぐろ(セレン)+大根の葉(ビタミンE)=抗酸化作用
アジ
DHA、EPA、カルシウムやビタミンDを含んでいて、同じビタミンDを含む食材と一緒に摂取すると骨の強化に期待できます。DHA、EPAを効率よく摂取するには、脂が減らないように調理するのがポイントです。
- アジ(カルシウム、ビタミンD)+椎茸(ビタミンD)=骨を丈夫に
鮭
鮭に含まれるビタミンDにはカルシウムの吸収率を高める働きがあるため、牛乳を使用しているクリームシチューなどと一緒に摂取すると効率よく吸収できます。
- 鮭(ビタミンD、たんぱく質)+牛乳、小松菜(カルシウム)=骨を丈夫に
- 鮭(ビタミンB1)+玉ねぎ、にんにく(硫化アリル)=疲労回復
卵、牛乳と野菜の組み合わせ
肉類同様、必須アミノ酸をバランス良く含み、良質なたんぱく質を豊富に含んだ食材です。肉が入手できない時代は貴重なたんぱく源とされていたほど栄養価が高い食材です。
卵
ビタミンC以外の栄養をすべて含む、とても栄養価の高い食材です。ビタミンCの食材と一緒に摂取することで、抜群の栄養バランスを誇ります。
- 卵(たんぱく質)+ほうれん草(ビタミンC)=風邪予防
- 卵(たんぱく質)+じゃがいも(ビタミンC)=免疫力アップ
牛乳
カルシウムだけでなく、整腸作用や免疫力アップに効果が高い乳酸菌が豊富に含まれています。乳酸菌はたんぱく質や脂肪の分解を助けてくれるため、消化吸収にも優れています。
- 牛乳(カルシウム)+豚肉(たんぱく質)+つるむらさき(ビタミンC、K)=骨を丈夫に
参考:各栄養素を多く含む食材
食材の組み合わせを考える上で、栄養素が多く含まれる食材を知っておくことが大切です。参考までに栄養素別に多く含まれる食材をご紹介いたしますので、食材の組み合わせを考える際にご覧ください!
ビタミンの種類と働きを詳しく知りたい方はビタミンの種類と働きをご覧ください。
※以下の表は食材100gあたりの含有量となります
たんぱく質
種名 | 含有量 |
---|---|
しらす干(半乾燥)
|
40.5g |
いわし(丸干)
|
32.8g
|
いくら
|
32.6g
|
すじこ
|
30.5g
|
牛肉(腱)
|
28.3g
|
たらこ(焼)
|
28.3g
|
アジ(焼)
|
27.5g
|
鮎(天然/焼)
|
26.6g
|
本マグロ
|
26.4g
|
キャビア
|
26.2g
|
脂質
種名 | 含有量 |
---|---|
牛バラ肉
|
50.0g |
フォアグラ
|
49.9g
|
牛肉(サーロイン)
|
47.5g
|
牛肉(テール)
|
47.1g
|
生クリーム(乳)
|
45.0g
|
牛肉(リブロース)
|
44.0g
|
あんこうのきも
|
41.9g
|
フレンチドレッシング
|
41.9g
|
生クリーム(植)
|
39.2g
|
ベーコン
|
39.1g
|
炭水化物
種名 | 含有量 |
---|---|
みりん
|
54.9g |
りんごジャム
|
52.7g
|
餅
|
50.3g
|
うずら豆
|
49.6g
|
あずき缶詰
|
49.2g
|
いちごジャム
|
48.4g
|
マーマレード
|
47.7g
|
くり
|
47.7g
|
さつまいも
|
39.0g
|
中華麺
|
38.4g
|
ビタミンA
種名 | 含有量 |
---|---|
レバー(鶏)
|
14,000μg |
レバー(豚)
|
13,000μg
|
うなぎ
|
2,400μg
|
ホタルイカ
|
1,500μg
|
レバー(牛)
|
1,100μg
|
しそ
|
880μg
|
モロヘイヤ
|
840μg
|
にんじん
|
760μg
|
すじこ
|
670μg
|
わかめ(乾燥)
|
650μg
|
ビタミンD
種名 | 含有量 |
---|---|
あんこうのきも
|
110μg |
しらす干し(半乾燥)
|
61μg
|
いわし(丸干)
|
50μg
|
身欠きにしん
|
50μg
|
すじこ
|
47μg
|
しらす干し(微乾燥)
|
46μg
|
いくら
|
44μg
|
カワハギ
|
43μg
|
鮭(赤)
|
33μg
|
鮭(白)
|
32μg
|
ビタミンE
種名 | 含有量 |
---|---|
あんこうのきも
|
13.8mg |
すじこ
|
10.6mg
|
キャビア
|
9.3mg
|
いくら
|
9.1mg
|
鮎(養殖/焼)
|
8.2mg
|
たらこ(焼)
|
8.1mg
|
たらこ(生)
|
7.1mg
|
明太子
|
6.5mg
|
モロヘイヤ
|
6.5mg
|
大根の葉
|
4.9mg
|
ビタミンK
種名 | 含有量 |
---|---|
ひきわり納豆
|
930μg |
パセリ
|
850μg
|
しそ
|
690μg
|
モロヘイヤ
|
640μg
|
納豆
|
600μg
|
アシタバ(生)
|
500μg
|
春菊(ゆで)
|
460μg
|
バジル
|
440μg
|
カブの葉
|
370μg
|
オカヒジキ
|
360μg
|
ビタミンB1
種名 | 含有量 |
---|---|
豚ヒレ肉
|
0.98mg |
生ハム(促成)
|
0.92mg
|
豚もも肉
|
0.90mg
|
生ハム(長期熟成)
|
0.90mg
|
ボンレスハム
|
0.90mg
|
焼豚
|
0.85mg
|
たらこ(焼)
|
0.77mg
|
うなぎ(かば焼)
|
0.75mg
|
たらこ(生)
|
0.71mg
|
豚ロース肉
|
0.69mg
|
ビタミンB2
種名 | 含有量 |
---|---|
豚レバー(肝臓)
|
3.60mg |
牛レバー(肝臓)
|
3.00mg
|
鶏レバー(肝臓)
|
1.80mg
|
キャビア
|
1.31mg
|
鶏はつ(心臓)
|
1.10mg
|
豚はつ(心臓)
|
0.95mg
|
牛はつ(心臓)
|
0.90mg
|
いかなご
|
0.81mg
|
うなぎ(きも)
|
0.75mg
|
うなぎ(かば焼)
|
0.74mg
|
ビタミン12
種名 | 含有量 |
---|---|
しじみ
|
62.4μg |
赤貝
|
59.2μg
|
すじこ
|
53.9μg
|
牛肉(レバー)
|
52.8μg
|
あさり
|
52.4μg
|
ほっき貝
|
47.5μg
|
いくら
|
47.3μg
|
鶏肉(レバー)
|
44.4μg
|
あんこうのきも
|
39.1μg
|
いわし(丸干)
|
29.3μg
|
葉酸
種名 | 含有量 |
---|---|
鶏レバー
|
1,300μg |
牛レバー
|
1,000μg
|
豚レバー
|
810μg
|
うなぎ(きも)
|
380μg
|
ウニ
|
360μg
|
枝豆
|
260μg
|
モロヘイヤ
|
250μg
|
パセリ
|
220μg
|
芽キャベツ
|
220μg
|
ほうれん草
|
210μg
|
ビタミンC
種名 | 含有量 |
---|---|
赤ピーマン
|
170mg |
黄ピーマン
|
150mg
|
ゆず(果皮)
|
150mg
|
パセリ
|
120mg
|
芽キャベツ
|
110mg
|
レモン(全果)
|
100mg
|
ケール
|
81mg
|
ピーマン
|
76mg
|
ゴーヤ
|
76mg
|
明太子
|
76mg
|
β-カロテン
種名 | 含有量 |
---|---|
しそ
|
11,000μg |
モロヘイヤ
|
10,000μg
|
にんじん(皮付き)
|
9,100μg
|
パセリ
|
7,400μg
|
ほうれん草(ゆで)
|
5,400μg
|
春菊(ゆで)
|
5,300μg
|
アシタバ
|
5,300μg
|
ニラ(ゆで)
|
4,400μg
|
糸ミツバ(ゆで)
|
4,100μg
|
西洋カボチャ
|
4,000μg
|
カリウム
種名 | 含有量 |
---|---|
パセリ
|
1,000mg |
豆みそ
|
930mg
|
よもぎ
|
890mg
|
アボカド
|
720mg
|
ひきわり納豆
|
700mg
|
ほうれん草(生)
|
690mg
|
ゆりね
|
690mg
|
納豆
|
660mg
|
大和芋
|
590mg
|
銀杏
|
580mg
|
カルシウム
種名 | 含有量 |
---|---|
桜エビ
|
690mg |
プロセスチーズ
|
630mg
|
しらす干し(半乾燥)
|
520mg
|
いかなご
|
500mg
|
鮎(天然/焼)
|
480mg
|
カマンベールチーズ
|
460mg
|
わかさぎ
|
450mg
|
いわし(丸干)
|
440mg
|
ししゃも
|
350mg
|
パセリ
|
290mg
|
亜鉛
種名 | 含有量 |
---|---|
牡蠣(生)
|
13.2mg |
豚肉(レバー)
|
6.9mg
|
ほや
|
5.3mg
|
牛肉(肩)
|
4.9mg
|
牛肉(肩ロース)
|
4.6mg
|
牛肉(尾/テール)
|
4.3mg
|
平貝
|
4.3mg
|
牛ひき肉
|
4.3mg
|
牛肉(ひれ)
|
4.2mg
|
卵(黄身)
|
4.2mg
|
鉄
種名 | 含有量 |
---|---|
豚肉(レバー)
|
13.0mg |
鶏肉(レバー)
|
9.0mg
|
パセリ
|
7.5mg
|
牛肉(センマイ)
|
6.8mg
|
卵(黄身)
|
6.0mg
|
ほや
|
5.7mg
|
鮎(焼)
|
5.5mg
|
しじみ
|
5.3mg
|
鶏肉(はつ)
|
5.1mg
|
赤貝
|
5.0mg
|